ベンチャー企業がIPO株式公開するには

ベンチャー企業がIPOするまでに何が必要条件でどのような環境があれば良いのか?色々と考えてみながら専門家としてどのようなサポートや支援ができるのか試行錯誤してみたいと思います。

ストックオプションの行使条件

 ストックオプションを従業員に付与する場合、権利行使した途端に退職されては会社は困りますので、それを阻止する方法があります。つまり、会社はべスティング(Vesting=付与)条件を自由に定めることができます。

 べスティング条件には色々ありますが、よくとられる手法は段階的にストックオプションを行使することができるとするものです。これはすべてを一度に行使されてしまうと優秀な従業員ほど行使後に会社を辞めてそのお金で起業したりするので、それを阻止する方法です。

 段階的にストックオプション行使ができるようにすることで、従業員は毎年目の前のニンジンを食べるためモチベーションをあげざるをえません。

 今話題の楽天は次のようにべスティングを定めています。

対象者は、以下の区分に従って、新株引受権の一部または全部を行使することができる。なお、累計行使可能株式数が1株の整数倍でない場合は、1株の整数倍に切り捨てた数とする。

a 平成15年3月30日から平成16年3月29日までは、権利を付与された株式数の4分の1について権利を行使することができる。
b 平成16年3月30日から平成17年3月29日までは、権利を付与された株式数の2分の1について権利を行使することができる。
c 平成17年3月30日から平成18年3月29日までは、権利を付与された株式数の4分の3について権利を行使することができる。
d 平成18年3月30日以降は、権利を付与された株式数の全てについて権利を行使することができる。
上記各期間における累計行使可能株式数は、それ以前の期間に既に行使した部分も含むものとする。

 この条件はストックオプション付与時を15年3月30日とすると、その日から1年以内は全体の25%を、2年以内は50%を、3年以内は75%を、3年以降はすべてを行使することができることになります。

 1年以内=25%
 2年以内=50%
 3年以内=75%
 3年以降=100%というように段階的に行使することができる条件なので、従業員は最低3年間はがんばらなければいけないということになります。
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税制適格ストックオプション

 ストックオプションという名称を聞いたことはベンチャー経営者では誰もがあるはずです。

 しかし,税法上の適格、つまりストックオプションの行使をした時に無税で行使できなければ、権利をタダで頂いても意味がありません。

 大手企業では税制適格にするためのノウハウをたくさん蓄積していますので、何ら問題ありませんが、ベンチャーにとってこの税制適格ストックオプションの適用をいかに行うかはとても難しいものになります。

 ちまたのサイトや書籍には税法上の適格になる条件が記載されているものはたくさんありますが、では具体的にどうすれば自分の会社に税法上適格な(無税で行使できる)ストックオプションを導入することができるのかは明確ではありません。

 ストックオプションは有価証券扱いを受けるので新株発行と同じように割当要項を作成しなければいけません。この割当要項の作成と各付与対象者との個別契約書の作成に関して税法上適格になるように注意を払う必要があります。

 商法、税法、また証券取引法がからむストックオプションの付与はIPO=株式公開を目差すベンチャー企業には避けては通れないものと思います。弊社では顧問先のベンチャー企業にストックオプション導入コンサルを行っています。資本政策を含めたトータルなIPO支援を積極的に行っていますので安心してご相談ください。

東証、黄金株を禁止

 東京証券取引所は上場企業が特定の株主のみに株主総会での拒否権を与える黄金株を導入することを原則禁止するという方針を固めました。

 一般投資家の利益を損ない、投資家平等の原則に反するというのがその理由のようです。経済産業省は条件つきで認めたようですが、東証は厳しい判断をくだしました。

 企業防衛策の乱用を防ぐことが目的であり、すべての企業買収を悪とはきめつけることができないというのが東証のスタンスでしょう。

 既に上場している会社は一定期間内に廃止しなければ上場を認められなくなり、これから上場しようとする会社は黄金株の導入は認められません。
 来春の新会社法の施行前に東証がこのような判断を下したことは上場企業および上場予備軍にとって重要なことです。
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LLPに新手法

 今日の日経新聞朝刊からですが、LLP(有限責任事業組合)に新手法、という記事が掲載されていました。

 LLPは今年8月からスタートした新しい形の事業受け皿です。つまり、事業責任は出資した範囲で有限である組合です。税法上はパススルー課税(導体課税)されますので、個人で申告を行うことになります。

 出資したメンバーは全員が事業に経営参加することが条件なので、民法上の任意組合、商法上の匿名組合とは異なることになります。

 ファンド(投資の器)としてLLPが利用されることは国としては当然想定済みだったと思いますが、ここにきてようやく本格的にファンドの設立母体として活用していく事例が現れてきたようです。

 来春からは日本版LLCもスタートしますので、日本もアメリカなみの自由な器を作れるようになり、ますますベンチャー企業にとっては出資を受けやすくなる環境が整ってきたと感じます。
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